デジタルカメラや携帯電話、家電機器など、幅広い機器で利用されているSDカード。コンパクトな形状で、デジタルカメラや家電など、さまざまな機器で使われています。使いやすく便利な反面、その形状からデータ消失につながるトラブルが発生しやすい点に注意が必要です。
今回は、SDカードで発生するトラブルやその復旧事例などについてご紹介します。
1 SDカードとは

SDカードは、フラッシュメモリの一種です。構造が簡単かつ扱いやすく、プロテクトスイッチや著作権保護機能などが設けられていることから、デジタルカメラや家電機器をはじめとした、さまざまな機器で使われています。
データの記録はフラッシュメモリによって行われるため、HDDのようにディスクの駆動音はしません。駆動部がないため衝撃に強く、コンパクトな点も大きなメリットです。
開発当初は8MBや16MBといった小さい容量のものしかありませんでしたが、現在はHDDに匹敵する容量のものも販売されています。
2 SDカードの主な故障原因

SDカードはコンパクトで扱いやすいメディアですが、それが理由で発生する障害も多く見られます。障害の種類によって、データ復旧の難易度も変わる点に注意が必要です。
トラブル・障害の例としては、以下のものが挙げられます。
2-1 物理的な障害
SDカードはコンパクトで薄いため、挿入したり、抜き出したりする際に折れ曲がってしまうことが多くあります。
他にも、摩擦によってコネクター部分が摩耗した、SDカードが水没したといった理由で、データが読み書きできなくなることも考えられます。
2-2 論理的な障害
SDカードでは、FATというフォーマットが採用されています。このフォーマットには、ファイル更新履歴のバックアップを取るジャーナリング機能が備わっていません。書き込みの途中にSDカードが抜けたり、機器のバッテリーが切れたりすると、保存していたファイルが壊れてしまう可能性があります。
また、データを誤って削除や上書きした、ウイルスに感染したといったケースも、論理的な障害の原因の例です。
3 SDカードのデータを復元する方法は?

SDカード内のデータに問題が生じた場合の解決策は、自力でデータ復旧を行う方法と、専門業者に依頼する方法の2種類に大きく分けられます。
3-1 データ復元ソフトを使う
有料や無料のデータ復元ソフトを使用すれば、自力でデータを復旧できる可能性があります。無料のフリーソフトなら、コストもかかりません。
ただし、データ復元ソフトで対処できるトラブルは、軽度な論理障害に限られます。むやみにデータ復元ソフトを使った結果、状態が悪化してデータ復旧ができなくなる恐れも捨てきれません。
確実にデータを取り戻したい方は、次の方法を試すことをおすすめします。
3-2 データ復旧の専門業者に依頼する
重要なデータを誤って消してしまった時は、データ復旧の専門業者に依頼するのがおすすめです。専門業者に依頼すれば、個人では対処が難しいトラブルにも適切に対処することができます。
ただし、データ復旧業者ごとに技術力や対応できるトラブルの種類は大きく異なります。優れた技術力を有していて、信頼できる専門業者に依頼しましょう。
4 データ復旧の可能性を高めるポイント

SDカードのデータが読み込めなくなったら、すぐに使用を中止することが大切です。見た目上は確認できないものの、SDカード内にデータはまだ残っている可能性があります。そのまま使用を続けると別のデータが上書きされてしまい、データ復旧が困難になってしまうため注意が必要です。
「フォーマットしますか?」などとメッセージが表示された場合も、フォーマットを行うのは避けましょう。フォーマットを行うことでSDカードは使えるようになるかもしれませんが、保存していたデータは完全に消えてしまう恐れがあります。
SDカード内に保存したデータは、さまざまな理由で消えてしまうものです。重要なデータを保存している方は、定期的にバックアップを取ることを心がけましょう。
5 SDカードのデータ復旧事例

SDカードでは、さまざまなトラブルが発生します。ここでは、トラブル・障害が実際に起こった際のデータ復旧事例についてご紹介します。
5-1 SDカードを抜き差ししたら認識しなくなった
カメラに使用していたSDカードが認識しなくなったケース。パソコンに繋いで確認すると、未フォーマットのエラー表示が出ていました。
確認した結果、内部素子の破損による物理障害と判明したため、記憶チップから強制的に読み出しを行い、約6GBのデータ復旧ができました。
5-2 SDカードの読み込みでエラー表示
SDカードの読み込み時に「フォーマットしてください」とエラー表示が出たケース。パソコンからの読み込みでエラーが表示され、その後カメラで読み込んだ際にも「フォーマットしてください」とエラー表示が出ました。
構造情報が破損して論理障害が発生していたため、修復処置を施し約1.5GBのデータ復旧ができました。
6 SDカードのトラブルはすぐ専門業者に相談を

SSDカードはコンパクトで便利な反面、本体の破損や誤操作による削除などのトラブルが起こりやすいメディアです。
自力でトラブルに対処することはできるものの、場合によっては余計に事態を悪化させてしまうことも考えられます。トラブルが発生してデータが読み込めなくなった時は、すぐデータ復旧の専門業者に依頼するのが確実です。