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【SDカードのデータ復旧】よくあるトラブルと復旧事例

USBメモリ/SDカードトラブル・基礎知識
更新:2023.09.19
【SDカードのデータ復旧】よくあるトラブルと復旧事例

デジタルカメラや携帯電話、家電機器など、幅広い機器で利用されているSDカード。ハードディスクほどの大容量はありませんが、小さな機器で使用できるコンパクトさがウリとなっています。近年は容量が大きなものも登場してきているため、より使い勝手はよくなっています。
そんなSDカードにも、データ復旧が必要となるトラブルが発生することがあります。SDカードはデジタルカメラや携帯電話などで撮った写真が納められていることが多く、大切な思い出を消さないためにはトラブルについて知っておく必要があります。

そこで今回は、SDカードで発生するトラブルやその復旧事例などについてご紹介します。

SDカードの概要

SDカードとは、フラッシュメモリの一種です。構造が簡単かつ扱いやすく、プロテクトスイッチや著作権保護機能などが設けられていることからデジタルカメラや家電機器など幅広い機器で利用されています。データの記録はフラッシュメモリによって行われるため、ハードディスクのようにディスクの駆動音がしません。また、駆動部がないことから衝撃に強く、コンパクトなことも大きなメリットです。

開発当初は8MBや16MBといった小さい容量のものしかありませんでしたが、取り扱いの容易さから参入企業が多く、開発が積極的に行われたことで次第に容量は増えていきました。現在ではハードディスクに匹敵する容量のものも販売されています。

SDカードの転送速度はスピードクラスという規格で定められており、クラスごとに最低速度が設定されています。写真の連写機能や動画撮影などに利用する場合、転送速度が速いものが推奨されています。スピードクラスは2、4、6、10の4つがあり、クラス2なら2MB/秒などそれぞれの数字が最低転送速度となります。また、さらに速い転送速度が必要な機器のために、より速い規格としてUHSスピードクラスというものもあります。こちらは1と3があり、それぞれ10MB/秒、30MB/秒となっています。

SDカードでのトラブル・障害事例

SDカードはコンパクトで扱いやすいメディアですが、それゆえに発生する障害もあります。この障害の種類によって、データ復旧の難易度も変わります。トラブル・障害の一例としては、以下のようなものがあります。

・物理的な障害
SDカードは衝撃に強いですが、それは保存されているデータに関しての話です。コンパクトで薄いSDカードは、挿入する際、あるいは抜き出す際に折れ曲がってしまうことが多くあります。また、向きを間違えて挿入した場合に破損してしまうこともあります。構造上、こうした物理的な障害は発生しやすいのです。

・論理的な障害
SDカードでは、FATというフォーマットが採用されています。このフォーマットにはファイル更新履歴のバックアップをとるジャーナリング機能が備わっていないため、書き込みの途中に抜けるとファイル全体が壊れてしまう可能性があります。機器のバッテリー切れで強制停止された場合にもファイル破損の危険があります。

SDカードのデータ復旧事例

SDカードでは、前述した以外にもさまざまなトラブルが発生します。ここでは、そういったさまざまなトラブル・障害が実際に起こった場合のデータ復旧事例についてご紹介します。

・SDカードを抜き差ししたら認識しなくなった
カメラに使用していたSDカードが認識しなくなったケース。パソコンに繋いで確認すると、未フォーマットのエラー表示が出ていました。確認した結果、内部素子の破損による物理障害と判明したため、記憶チップから強制的に読み出しを行って約6GBのデータ復旧ができました。

・SDカードの読み込みでエラー表示
SDカードの読み込み時に「フォーマットしてください」とエラー表示が出たケース。パソコンからの読み込みでエラーが表示され、その後カメラで読み込んだ際にも「フォーマットしてください」とエラー表示が出ました。構造情報が破損して論理障害が発生していたため、修復処置を施し約1.5GBのデータ復旧ができました。

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