パソコンが普及し、電子化が進んだことからさまざまな情報がパソコンでやり取りされるようになりました。紙を使うことは少なくなり、完全にペーパーレスになっている会社もあります。データの持ち運びも頻繁に行なわれるようになり、小型の記憶媒体の重要性も増しています。そういったことから、USBメモリは広く利用されているのです。
USBメモリはコンパクトかつ容量もそれなりに大きいため、データの持ち運びの際に重宝されています。広く利用されているからこそ、発生するトラブル・障害についてはある程度把握しておく必要があります。場合によってはデータ復旧を行なう必要もあるため、軽視することはできません。
そこで以下では、USBメモリで発生するトラブル・障害やデータ復旧の事例についてご紹介します。
USBメモリの概要
USBメモリは、フラッシュメモリの一種に分類される記憶媒体です。フラッシュメモリ自体が大容量、コンパクト、リーズナブルと扱いやすい要素の揃った記憶媒体であり、その利便性の高さから登場から現在まで広く利用されてきました。USBによって接続されるUSBメモリはそのなかでも扱いやすく、パソコンとの相性がいいことから最も広く普及しているといえます。近年では、一部のコンビニやスーパーなどでも販売されています。
ハードディスクとの大きな違いは、駆動部がないというところです。ハードディスクはディスクの駆動音が大きい場合もあり、静音性はそれほど高くありません。対してUSBメモリはフラッシュメモリにデータを記録するため駆動部がなく、動作するときにまったく音がしません。駆動部がないことは、耐衝撃性の高さにもつながっています。また、近年は大容量化が進んでいて、普段使いの外部ストレージとしても利用できるほどになりました。
USBメモリでのトラブル・障害事例
大容量、コンパクト、リーズナブルと利点が多いUSBメモリ。しかし、持ち運びや抜き差しすることが多いUSBメモリには、それゆえのトラブル・障害が発生する可能性もあります。データ復旧に関わるトラブル・障害としては、以下のようなものがあります。
・物理的な障害
USBメモリはスティック型になっているものが多く、同じフラッシュメモリの一種であるSDカードよりは外部からの衝撃には強いといえます。しかし、USBのコネクターと基板との接続部は意外に脆く、差し込んだ状態で強い負荷をかけたり、コネクター部分を何かにぶつけたりすると簡単に破損してしまいます。コネクターが破損してもデータが破損していなければ100%のデータ復旧が可能ですが、接続できなくなるため個人でソフトを使ってデータ復旧することはできません。
・論理的な障害
USBメモリはUSBポートに差し込むだけで利用できるため、非常に使いやすい記憶媒体です。しかし、抜き差しが簡単であることから書き込み・読み込み中に抜いてしまうこともあり、その結果ファイルフォーマットが壊れてしまうことがあります。
USBメモリのデータ復旧事例
前述した事例以外にも、USBメモリではさまざまなトラブル・障害が発生します。そういったトラブル・障害が発生した場合、データ復旧を行なうことで大切なデータを取り戻すことができます。ここでは、そんなデータ復旧事例についてご紹介します。
・端子部分が破損し、接続できなくなった
ポートに接続中に負荷をかけてしまい、端子が破損したケース。基板とコネクターの接続部が破損しているため、アクセスができなくなりました。物理的に破損したものの、内部のデータ自体には損傷がなく、100%のデータ復旧ができました。
・USBメモリが認識されなくなった
いつも使っていたUSBメモリが突然認識されなくなったケース。マイコンピューターから該当するリムーバブルディスクを選択すると、ディスクを挿入してくださいとエラー表示がでました。確認すると、構造情報が破損していて認識されない状態になっていました。構造情報の修復を行ない、データ復旧ができました。