HDDやSSDといった記憶媒体に保存されているデータは、故障や寿命など、何らかの原因で消えてしまうことがあります。その中でも異質なのが、ウイルスによるデータ破壊や窃盗です。
ファイヤーウォールやウイルススキャンなど、コンピューターウイルスに対する防御はありますが、活用するにはウイルスについて知っておくことが大切です。
ここでは、コンピューターウイルスの主な種類や対策方法についてご紹介します。
1 主なコンピューターウイルスの種類

一口にコンピューターウイルスといっても、その種類はさまざまで、感染経路や被害もそれぞれ異なります。
代表的なウイルスの特徴は、以下のとおりです。
1-1 ファイル感染型
ファイル感染型のウイルスは、名前のとおりファイルに感染して数を増やしていくウイルスです。
メールによって感染することが多く、感染したファイルは中身が改変されます。
1-2 ワーム型
ワーム型のウイルスは、ファイル感染型と同様に自己増殖を続けるウイルスです。
ファイル感染型とは異なり、単体でも増殖することができます。パソコンが止まる、誤作動を起こす、データが流出するなどが、主なワーム型ウイルスによる主な被害の例です。
メールやインターネットが感染経路として挙げられます。
1-3 トロイの木馬型
トロイの木馬型のウイルスは、データの破壊や外部流出など攻撃的な活動を行うウイルスです。
正常なファイルを装ってダウンロードさせることで、パソコンに侵入します。
1-4 身代金要求型「ランサムウェア(Ransomware)」
感染したパソコンをロックしたり、ファイルを暗号化したりしてから、元に戻すことと引き換えに「身代金」を要求する不正プログラムです。
身代金要求型不正プログラムとも呼ばれます。
メッセージに含まれる添付ファイルや、Web サイト上の悪意のあるリンクなどが主な感染経路です。
世界的に、多くの企業がランサムウェアの被害に遭っています。
1-5 ボット型
ボット型は、パソコンを乗っ取ることを目的としたウイルスです。乗っ取ったパソコンを外部から遠隔操作することで、ホームページへの攻撃や迷惑メールの送信などを行います。
メールの添付ファイルやwebサイト、外部記憶媒体、アプリなど、感染経路が多く気づきにくいのが特徴です。
1-6 バックドア型
バックドア型は、プログラムに裏口を作るためのウイルスです。
それ自体に攻撃性があるわけではありませんが、裏口が作られた結果、悪意ある第三者にさまざまなデータを抜かれてしまう恐れがあります。
2 ウイルスの駆除方法

ウイルスに感染してしまった場合、まずは被害の拡大を防ぐために、パソコンのインターネット接続を完全に切断してください。
その後、ウイルス対策ソフトで駆除を行うことがポイントです。ウイルスを駆除しなければ、仮にデータを復旧できてもまたウイルスの影響を受けてしまいます。
ウイルス対策ソフトは有料・無料合わせてさまざまな商品があるため、導入していない場合は導入しておきましょう。
対策ソフトで駆除できない時は、パソコンのリカバリーを行うのも有効ですが、作業によってパソコンに保存していたデータは全て消えてしまいます。
リカバリー後にデータ復旧を行うことはできるものの、データ復旧確率は高いとはいえません。必要なデータは日頃からバックアップしておくことをおすすめします。
3 パソコンのウイルス感染を防ぐ対策法

ウイルスに感染した場合でも、ウイルスを駆除すればデータ復旧できる可能性は残りますが、ウイルスに感染しないよう対策することも大切です。
具体的に、パソコンのウイルス感染を防ぐにはどのような対策を行えば良いのでしょうか。
比較的簡単に行える対策を、3つご紹介します。
3-1 ウイルス対策ソフトの導入
ウイルス対策ソフトは、ウイルスの駆除だけでなく、感染対策にも役立ちます。
ウイルス対策ソフトを導入していれば、ウイルス感染の恐れがあるメールやサイトをブロックするなど、パソコンを保護できます。
ただし、ウイルス対策ソフトも万全の備えというわけではありません。日頃から、不審なメールやリンクを開かない、不審なファイルをダウンロードしないといった基本的な対策は徹底しましょう。
3-2 ソフトを常に最新に保つ
ソフトウェアを常に最新版にアップデートしておくのもポイントです。ソフトウェアが古いままだと、脆弱性を狙ったウイルスに感染しやすくなります。
最新版のソフトウェアはUpdateによって脆弱性を改善していることほとんどです。パソコンにインストールしているソフトは、定期的にアップデートがあるかどうかを確認しておきましょう。
3-3 データのバックアップを取っておく
バックアップを定期的に取っておくのも効果的です。ウイルス対策はもちろん、不意の故障やデータ消失が起こった際に、データ復旧を行う手間が省けます。
ウイルスに感染しても、データ復旧できる可能性はありますが、絶対ではありません。ウイルス対策の一環として、バックアップは忘れずに取っておくことをおすすめします。
4 ウイルス感染した機器のデータ復旧は専門業者に相談を

可能性は残るとはいえ、ウイルスに感染したパソコンのデータは簡単に復旧できません。個人で対処しようとした結果、かえって被害が大きくなってしまうことも考えられます。
ウイルス感染したパソコンのデータを取り戻したい方は、高い技術力を持った専門業者に依頼するのがおすすめです。
経験や技術力のある専門業者であれば、個人で対処するよりもデータ復旧の可能性は高まります。
5 日頃からウイルス対策をしておくことが大事

ウイルス感染は、パソコンを使う限りつきまとう問題です。
ウイルス感染した時は、適切に対処することで、パソコンをそのまま使い続けたり、データを取り戻せたりできる可能性が残ります。
とはいえ、ウイルスに感染したパソコンのデータは簡単に復元できません。日頃から、ウイルス感染を防ぐために対策することが大切です。