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RAIDだからといって安心できない? RAID障害や注意点

NAS/RAIDトラブル・基礎知識
更新:2023.09.19
RAIDだからといって安心できない? RAID障害や注意点

大量のデータを扱う企業などでは、複数台のハードディスクでRAIDを組んで運用していることも少なくありません。近年はRAIDが組み込まれている市販のハードディスクも登場しているため、個人でも少ない台数でRAIDを組むことがあります。RAIDは組み方によってはデータの安全性が高く、重宝されているのです。
そんなRAIDですが、手放しに安心することはできません。RAIDにも障害は発生するうえ、対応を間違えるとデータ復旧不可能になるなど状況を悪化させてしまうこともあります。RAIDを利用する際には、そういった起こり得る障害などについても知っておくべきです。
そこで今回は、RAIDで発生する障害や注意点などについてご紹介します。

RAIDに対する危険な思い込み

RAIDは安全だ、という意見が多いことから、RAIDに対して意識の刷り込みが行なわれている場合があります。確かにRAIDは安全性が高いとはいえますが、データを完璧に保護できるものではありません。RAIDにも弱点があり、それをしっかり知っておく必要があります。
よく勘違いされるのが、RAID1には削除したデータを復元する機能があるということ。RAID1はミラーリングといって同じデータを複数のハードディスクに保存するため、ひとつのハードディスクのデータを誤って消してしまっても復元できると思われがちです。しかし、実際にはそういった機能はなく、削除操作もほぼ同時に行なわれます。
また、RAIDは組み方によってある程度の故障までは許容されますが、これを超えた障害が発生すると停止してしまいます。たとえばRAID5では1台が故障しても動作は継続されますが、2台目が壊れると停止します。このシステムは、どれだけハードディスクの数が増えても変わりません。RAIDだからといって、故障しても大丈夫というわけではないのです。
RAIDはハードディスクの数が増える分故障機会も多くなってしまうため、安全だという思い込みは捨てましょう。

RAIDで発生しやすい障害

RAIDには、いくつか発生しやすい障害があります。場合によってはデータ復旧をしなければいけないケースもあるため、どのような障害がどのような原因で発生するのか、いくつかご紹介します。
・強制終了など正常でないシャットダウンによるディスクの異常
RAIDの運用中に正規の方法以外でシャットダウンを行なうと、RAIDの情報やファイルシステムの情報に不具合が発生することがあります。データだけでなく基盤そのものにダメージがいくこともあり、データ復旧が難しくなるケースも。
・リビルドの失敗
RAIDレベルにもよりますが、ハードディスクが1台壊れても交換してリビルドすれば問題なく使用し続けることができます。しかし、交換してリビルドしている最中に別のハードディスクに異常が発生すると、RAIDが壊れてしまうことがあります。リビルドが進んでいる状態で失敗すると、データ復旧の難易度は大きく高まります。

障害が発生したときにやってはいけないこと

RAIDの障害が発生したとき、業者に依頼すると安くない費用がかかることから自力でなんとかしようとする場合があります。しかしその結果、かえって状況を悪化させ、データ復旧の難易度を高めてしまうことも。
障害が発生したときに備えて必ず覚えておくべきことは、不用意に触らないということです。障害が発生するとRAIDを構成するハードディスクをすべて取り出してみたり、別のパソコンに1台ずつつないで確認してみたり、ハードディスクを入れ替えてみたりと、何かと手を出したい気持ちはわかります。しかし、こういった行為はすべて状況を悪化させる原因となるため、十分な知識を持っていない場合は触らないようにしましょう。
安全にデータ復旧を行ないたい場合は復旧ソフトを使うのではなく、データ復旧業者に依頼するのがおすすめです。

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