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APFSとは? MacOSで使われているファイルシステムについて解説

お役立ち知識
更新:2023.09.19
APFSとは? MacOSで使われているファイルシステムについて解説

コンピュータでさまざまなデータを格納したり開いて使用したりする際に、大きな役割を果たしているのが「ファイルシステム」と呼ばれる内部システムです。しかし、日ごろからパソコンなどでデータの保存や読み書きを行っている方でも、ファイルシステムがどのように作用しているかを意識する機会はあまりないかもしれません。
そこでこの記事では、ファイルシステムの概要や、Macで使用されているファイルシステム「APFS」と「HFS」についてご紹介します。


1 ファイルシステムとは?
2 Macで使用されているファイルシステムの種類
   2-1 APFS
   2-2 HFS
   2-3 HFS+
3 ファイルシステムについて理解しておこう

■ファイルシステムとは?

ファイルシステムとは、ハードディスクなどの記憶装置に書き込むデータを管理し、使う人がわかりやすいように、データの書き込みや読み出しをファイル単位で実行可能にするシステムです。

一般的なストレージの内部は、データを記録する部分が「セクタ」と呼ばれる単位で細かく区切られています。データの保存時に、ばらばらのセクタにデータの書き込みが行われる「断片化」と呼ばれる現象が起こる場合があります。
しかし、このファイルシステムがあるおかげで、人はパソコンを使う際に、データがどのセクタに読み書きされているのかを意識する必要はありません。

ファイルシステムは、セクタに書き込まれたデータをファイルやフォルダーごとにまとめて表示して、使用する人がデータ管理を簡単に行えるようにする仕組みと考えるとわかりやすいでしょう。
パソコンでさまざまなデータをまとめて管理する操作は、日ごろから意識することなく行っていますが、そこではファイルシステムがとても重要な役割を果たしているのです。

■Macで使用されているファイルシステムの種類

パソコンやスマーフトフォンなど、データを保存する媒体には、基本的に何らかのファイルシステムが必ず使用されています。ただし、利用できるファイルシステムの種類はOSによって異なります。Macの場合、主に使用されているのは「APFS」と「HFS」というファイルシステムです。
ここでは、Macで使用されているAPFSとHFSについてご紹介します。

1.APFS
APFS(Apple File System)とは、macOS 10.13(High Sierra)以降で採用されている、Apple社独自のファイルシステムです。iOS 10.3以降を搭載したiPhoneでも使用されています。
APFSはSSDに最適化されているファイルシステムで、ファイルコピーの速度が高速化しているのが特長です。また、高度な暗号化機能やスナップショット機能も導入され、信頼性が向上しています。パーティションサイズは変更可能で、自由度が高い点もメリットです。
さらに、ファイル管理が64ビットで行えることから、さまざまなファイルを取り扱うことができます。

ただし、APFS はMac専用のファイルシステムのため、Windowsとの互換性は基本的にありません。macOS 10.12以前のOSを搭載したMacでのデータ読み書きや、コンビニのマルチコピー機などでの読み出しも行うことができず、以前のファイルシステムへの変換も不可能です。

2.HFS
HFS (Hierarchical File System) は、以前のMac OSで使用されていたファイルシステムです。「Mac OS標準フォーマット」と呼ばれることもあります。HFSで記録されているデータの読み書きが可能なのは、Mac OS X v10.5以前のOSを搭載したデバイスに限られます。
1ファイルの最大サイズは約2GBで、1ボリュームあたりの最大容量は約2TBです。ただし、HFSのサポートは2016年のmacOS 10.12時点をもって終了しています。

3.HFS+
HFSの上位互換として1998年のMac OS 8.1より採用されたファイルシステムです。ファイルの最大サイズなどがHFSから拡張されていて、「Mac OS拡張フォーマット」とも表記されます。iPodシリーズのファイルシステムとしても使用されていました。

1つのファイルとして扱える容量は約8EB(エクサバイト)で、ファイル名の長さの上限は255文字となっています。
ただし、HFSとその上位互換であるHFS+は、どちらもMac専用フォーマットです。APFSと同様にWindowsとの互換性はなく、マルチコピー機などでの読み出しも行えません。また、一度HFS+としてフォーマットを実行すると、Mac OS 8.1よりも古いOSを搭載したMacでは使用できない点に注意が必要です。

■ファイルシステムについて理解しておこう

パソコンのファイルシステムは、保存されたデータをファイルとして取り扱えるようにして、人が簡単にデータを整理できるようにしている便利なシステムです。
Macでは独自のファイルシステムが用いられており、現在はAPFSとHFS+の2つが主に使用されています。便利に操作が行える反面、Windowsパソコンなどとの互換性はない点に注意が必要です。
パソコンでデータの保存や管理を便利に行うために欠かせないファイルシステムについて理解しておき、Macをさらに使いこなすために役立てましょう。

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