データ復旧お役立ちコラム

SSDのデータ復旧は難しい?
注意点を知ってデータ復旧の成功率を上げよう

SSDトラブル・基礎知識
更新:2024.01.11
SSDのデータ復旧は難しい? <br>注意点を知ってデータ復旧の成功率を上げよう

SSD(ソリッドステートドライブ)の故障が原因で、突然保存済みのデータが全て消えてしまったという経験はありませんか? SSDは精密機器なので、故障の原因にはさまざまなケースが考えられます。データ復旧の際は、症状や原因を見極めることが大切です。 この記事では、SSDの障害の種類や、データ復旧にあたって注意したいポイントなどをご紹介します。

目次– 読みたい項目からご覧いただけます。

1 SSDのデータが損失する原因

SSDが認識できなくなったり、データを読み書きできなくなったりする主な原因は、物理障害と論理障害の2つです。データ復旧においては、それぞれの障害を切り分けて判別する必要があります。ここでは、物理障害と論理障害の2パターンの概要をご紹介します。

1-1 物理障害

物理障害とは、SSD自体が物理的に破損した状態のことです。水没などが原因で、SSD本体がダメージを受けたケースが該当します。他にも、データの書き込み回数上限を超えたり、経年劣化で寿命を迎えたりして動かなくなるケースや、静電気や落雷などの過電流により動かなくなるケースも物理障害に含まれます。
また、SSDの動作を制御するファームウェアに障害が発生し、データの容量が正しく認識されない、読み書きが正常に行えないといったケースもあります。ファームウェアアップデートの失敗が原因で発生することもあるため、アップデートの際は必ずバックアップを取っておきましょう。
SSDが物理的に破損した場合、データ復旧の難易度は非常に高く、個人での復旧はほぼ不可能です。

1-2 論理障害

論理障害とは、SSD内部のファイルシステム障害や誤操作によって読み書きができなくなる状態を指します。内部データの不具合でデータが消えてしまったり、誤ってデータの削除やフォーマットを行ったりした場合に発生することが多いです。 また、データの読み書き中に機器の電源を落としてしまい、読み書き作業が中断された結果、ファイルやドライブを認識できなくなるというケースもあります。

2 SSDのデータ復旧はHDDと比べて難しい?

SSDは、フラッシュメモリーチップにある「セル」と呼ばれる複数の記憶領域に、データを分散して保存しています。データを保存しているセルが1つでも壊れてしまうと、元のデータを取り出すことはできません。
また、内部データの削除や更新を行う際に、データを一度消してから書き直すという作業を行っている点も、SSDの特長です。 構造やデータの保存方法の違いから、SSDはHDDよりもデータ復旧が難しいとされています。

3 データ復旧の可能性を上げる方法

SSDは精密機器です。故障の際に誤った対処を行うと、さらにデータ復旧が難しくなる場合もあります。SSDが故障した際に、やってはいけないことを覚えておきましょう。SSDのデータ復旧の可能性を上げるには、以下を徹底することが大切です。

3-1 すぐに電源を落とす

SSDでトラブルが発生した際は、機器の電源を落として通電しないようにしましょう。SSDの特性上、電源のオン/オフを繰り返すと、SSD内部でデータ消去済みと認識されたエリアでは、次のデータを書き込む準備が行われます。この動作は避けようがないため、データの上書きを防ぐために、すぐ電源を落とすことが大切です。 SSDの特性に関しては、以下の記事で解説しているので、併せてご参照ください。

⇒「Trim命令の功罪」

3-2 フォーマットは行わない

SSD内のデータを管理する場所が破損したり、機械的な障害が発生したりした時は、「フォーマットが必要です」などと表示されます。表示に従ってフォーマットを実行すると、SSD内部のデータが全て消えてしまうので、可能な限りフォーマットは行わないようにしましょう。 上記のようなエラーメッセージが表示された時は操作をキャンセルするなど、慌てずに対応することが重要です。

4 データ復旧を行う前にSSDの状態を確認しておこう

SSDに不具合が生じている時は、データ復旧の前にSSDの状態を確認しておくのも有効です。 内蔵SSDを搭載したパソコンなら、電源を入れてパソコンを起動できるか確認することで、どのような不具合が起こっているのか判断できます。パソコンが起動しない時はSSD本体の故障が、パソコンを起動できる時はデータやシステム関連の障害の可能性が高いです。
また、外付けSSDの場合は、ケーブルの接続不良が原因でSSDが認識されないことも考えられます。ケーブルやアダプタなどが正しく接続されているか、別のUSBポートに接続して認識されるかなどを確認することも大切です。 USBハブやドッキングステーション経由で外付けSSDを接続している時は、直接パソコンに接続し直すことで、不具合が解消する場合もあります。

5 SSDのデータ復旧の方法

データ復旧とは、障害により読み込めなくなったり、削除されたりしたデータを復元することです。読み取れなくなったSSDのデータを復元する際は、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。ここでは、SSDのデータを復旧する方法や、注意点をご紹介します。

5-1 データ復旧ソフトを使う

原因が軽度の論理障害の時は、業者に依頼しなくても、復旧ソフトを使用してデータを復元できる可能性があります。ただし、SSDのデータ復旧はHDDに比べて難しく、場合によってはデータを完全に失うリスクがある点には注意が必要です。 また、重度の物理障害も復旧ソフトでは対応できません。

5-2 データ復旧業者に依頼する

SSDの障害の多くは目で見て確認できないうえに、データ復旧には高度な技術と知識が要求されます。SSD内のデータを安全に取り出したい時は、信頼できるデータ復旧業者に相談するのがおすすめです。
ただし、一口にデータ復旧業者といっても、各業者によってどこまで対応できるかは異なります。高い技術力を持つ業者に依頼することも重要です。
また、メーカーや修理業者にSSDの修理を依頼した場合、内部のデータが初期化されてしまう可能性がある点にも注意しましょう。

6 重要なデータの復旧はデータ復旧業者に相談しよう

SSDは、前触れもなく急に動かなくなったり、データが破損したりすることがあります。物理障害や論理障害を問わず、故障している時はむやみに通電するのは避けましょう。 難易度の高いSSDのデータ復旧は、技術力が高く信頼できるデータ復旧業者に依頼する方法が確実です。

あわせてお読みください

TOP