コンパクトな形状で持ち運びに便利なUSBメモリを、日常的に使用している方も多いでしょう。しかし、USBメモリは壊れやすく、急に障害が発生することも珍しくありません。突然パソコンなどに認識されなくなった場合は、どのように対処すれば良いのでしょうか。
この記事では、USBメモリが認識されなくなる原因やその対処法、障害発生時の注意事項などをご紹介します。
1 USBメモリが認識されない原因
1-1 USBメモリの接触不良
1-2 電力の供給不足
1-3 物理障害
1-4 論理障害
2 障害発生時の注意点
3 USBメモリが認識されない際の対処法
3-1 USBメモリの接続を確認する
3-2 ドライバーを再インストールする
3-3 BIOS(UEFI)設定を見直す
4 問題が解決しない場合は早めに専門業者に依頼を
5 大事なデータがあるなら早めに専門業者へ相談しよう
USBメモリが認識されない原因
USBメモリが認識されなくなる原因は、いろいろと考えられます。対処法を誤ると事態が悪化する恐れもあるため、症状を見極めることが大切です。
ここでは、USBメモリが認識されない際に考えられる主な原因をご紹介します。
1.USBメモリの接触不良
USBメモリが正しく接続されていないと、パソコンなどはUSBメモリを正常に認識できません。USBメモリの端子部分やUSBハブ、パソコンのUSBポートに埃が入るなど、接触不良が原因で認識されない場合もあります。
また、USBメモリの端子とUSBポートの形状が合っていない可能性もあります。USBの形状は「USB-A」や「Type-B」、「USB‐Type-C(TM)」など数種類あるので、事前に確認しておきましょう。
2.電力の供給不足
USBメモリをはじめ、USB接続を行う機器はパソコンなど接続先からの電力供給で動くものがほとんどです。同時にたくさんのUSB機器を接続していると、電力が足りずにUSBメモリが認識されないこともあります。
3.物理障害
物理障害とは、強い衝撃を与えた、水没したといったことが原因でUSBメモリが物理的に破損した状態のことです。
USBメモリのコネクタと基板の接点部は脆く、軽い衝撃でも破損することがあります。また、静電気や過電圧などが原因で故障したり、パソコンなど接続先側のUSBポートの不具合によって障害が起こったりすることもあるでしょう。
物理障害の復旧には部品の修理や交換が必要になるため、自力での解決は困難です。
4.論理障害
論理障害とは、USBメモリ内に保存されたデータなどの情報が破損した状態のことです。データの読み書き中にUSBメモリを抜いたり、データの処理中にパソコンの電源が切れたり、USBメモリを誤ってフォーマットしたりすることが原因で発生します。
USBメモリが認識されない、データが表示されないなどが、論理障害で発生する症状の例です。
論理障害が起こったUSBメモリを使い続けると、データが強制的に上書きされるなど、事態の悪化を招く恐れがあります。
障害発生時の注意点
USBメモリに障害の発生が疑われる場合は、してはいけないことがいくつかあります。ここでは、障害発生時に控えるべき行動についてご紹介します。
・USBメモリを何度も抜き差ししない
抜き差しを繰り返すと、接続部分が故障したりデータが破損したりする恐れがあります。
・USBメモリに通電し続けない
障害が起こったUSBメモリに通電を続けると、破損箇所の状態が悪化したり、データが強制的に上書きされたりすることがあります。復旧が困難になるので、障害が発生したらUSBメモリの通電をすぐにやめましょう。
・USBメモリの端子に息を吹きかけない
息を吹きかけて埃を取ろうとすると、かえって埃やゴミが奥に入り込む恐れがあります。
・安易にフォーマットしない
大切なデータが入っている場合は、不用意にUSBメモリをフォーマットしないようにしましょう。フォーマットするとUSBメモリ内のデータはすべて消えてしまい、復旧が極めて難しくなります。
USBメモリが認識されない際の対処法
USBメモリが認識されない場合は、どのような方法で対処すれば良いのでしょうか。USBメモリが認識されなくなった際に、個人でも行える対処法をご紹介します。
1.USBメモリの接続を確認する
パソコンなどのポート側の問題で、USBメモリが認識されない可能性もあります。一度USBメモリを他のUSBポートに差してみましょう。別のUSBポートでは問題なく使えるのであれば、最初に接続していたUSBポートが壊れていると判断できます。
また、USBメモリの接触不良や電力不足が原因の可能性もあります。USBメモリ以外のUSB機器をすべて外した状態で、接続し直してみるのも良いでしょう。
2.ドライバーを再インストールする
ドライバーの再インストールを行うことで、USBメモリが認識される可能性もあります。ドライバーを再インストールする手順は、以下の通りです。
【ドライバーの再インストールの手順(Windowsの場合)】
1.タスクバーの「スタートボタン」を右クリックし、メニューが立ち上がったら「デバイスマネージャー」を選択する
2.デバイスマネージャー画面が開いたら、「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」の左にある「>」をクリックする
3.USBデバイスの一覧が表示されるので、該当するUSBメモリを右クリックし「デバイスのアンインストール」を選択する
4.アンインストール後、USBメモリを接続し直すと、自動でドライバーが再インストールされる
3.BIOS(UEFI)設定を見直す
BIOSまたはUEFIとは、パソコンのOSの起動や接続機器の入出力などを制御しているプログラムのことです。USBポート自体が無効となっている場合は、BIOS(UEFI)設定を見直すことによってUSBメモリが認識される可能性があります。
【BIOS(UEFI)設定の手順(Windowsの場合)】
1.パソコンの電源を入れ、Windowsが起動する前(メーカーロゴが表示されている状態など)に「Del」や「F2」、「F1」などのキーを押す
2.BIOS(UEFI)設定画面が表示されたら、「USB Port」という項目を「Disabled」から「Enabled」に変更する
3.その後パソコンを再起動して通常通りWindowsを立ち上げ、USBポートが正常に認識するか確認する
BIOS(UEFI)設定を起動するキーや項目名は、使用しているパソコンによって異なる場合があります。メーカーのホームページや取扱説明書などで、事前に確認しておきましょう。
問題が解決しない場合は早めに専門業者に依頼を
USBメモリの不具合に自力で対処しようとした結果、かえって状態が悪化する可能性もあります。ご紹介した対処法を試しても問題が解決しない場合は、専門業者へ早めに相談しましょう。
専門業者なら、原因や症状に合わせて適切に対応できます。ご家庭やオフィスでは対処しきれない障害は、確かな技術力を有する専門業者に依頼するのがおすすめです。
大事なデータがあるなら早めに専門業者へ相談しよう
精密機器であるUSBメモリは、些細なことが原因で認識されなくなる場合があります。日常においても丁寧な取り扱いを心掛けましょう。
また、USBメモリの不調は自力での修復が難しいケースも多いです。大事なデータを保存している場合などは、高い技術力を持った信頼できる専門業者に相談するのがおすすめです。