パソコンで作業中に突然画面が固まってしまい、マウスやキーボードによる操作を受け付けなくなることがあります。「フリーズ」と呼ばれる不具合で、さまざまな原因によって引き起こされます。パソコンがフリーズした際に誤った対処をしてしまうと、内部データが失われる可能性もあるため注意が必要です。
ここでは、windows 10を例にパソコンがフリーズする原因やその対処法、フリーズを未然に防ぐ方法について解説します。
1 パソコンがフリーズする主な原因
パソコンがフリーズする原因は、いくつか考えられます。ここでは、フリーズの主な原因をご紹介します。
1-1 熱暴走
発熱によってパソコン内部が高温になると、フリーズが発生することがあります。これは、熱で内部の部品がダメージを受けないよう、パソコンが動作をストップさせてしまうためです。「熱暴走」と呼ばれる現象で、発生する原因はいくつか考えられます。
・冷却ファンの故障
・直射日光が当たる場所や温度が高い室内での使用
・通気口にホコリやゴミが溜まっている など
1-2 メモリ不足
メモリ不足も、パソコンがフリーズする原因のひとつです。アプリケーションを同時にたくさん開いたり、常に起動し続ける常駐プロセスが増加したりすると、メモリの容量によっては処理に時間がかかり、フリーズが発生します。
メモリ不足によるフリーズを防ぐには、パソコン本体のメモリ容量に注目しましょう。
メールや文書作成、Webサイト閲覧などが主な用途であれば、4~8GB程度の容量でも大きな問題になりにくいです。
しかし、動画編集を行ったり、複数のソフトを同時に開いたりする場合は、8GBでもメモリ不足を招く可能性があります。
1-3 ウイルス感染
パソコンがコンピュータウイルスに感染したことによって、フリーズが発生する場合もあります。ウイルスによってメモリやCPUに過度な負荷がかかり、処理が追いつかなくなることが原因です。
ウイルスの感染経路は、メールの添付ファイルや悪質なWebサイトへのアクセス、ファイルのダウンロードなど多岐にわたります。日頃から十分な注意を払うことが重要です。
1-4 アプリケーションの不具合
アプリケーションに問題が発生して、フリーズすることもあります。特定のアプリケーションを起動した際にフリーズが頻発するのであれば、アプリケーションそのものに不具合があるかもしれません。
また、OSやアプリケーションを最新バージョンに更新していない場合や、OSに対応していないアプリケーションを開こうとした場合なども、処理が進まずにフリーズすることがあります。
1-5 マウスやキーボードの故障
パソコン本体ではなく、マウスやキーボードといった入力機器で接触不良や故障が発生している可能性も考えられます。
例えば、ワイヤレスタイプの入力機器の場合は、電池切れをパソコンのフリーズと勘違いしてしまうケースもあるでしょう。電池切れの心配がない有線タイプの入力機器でも、接触不良が原因で操作できなくなることが考えられます。
1-6 ストレージの不具合
ストレージの劣化や故障も、フリーズの原因です。
ストレージの経年劣化や故障が原因でフリーズが発生している場合は、症状が自然に改善することはありません。ストレージの換装(交換)やパソコンの買い替えなどを検討しましょう。
2 パソコンがフリーズした際の対処法
パソコンがフリーズすると、復旧を急ぐあまり強制終了してしまう方も多いかもしれません。しかし、パソコン本体の故障につながる恐れがあるため、フリーズ時の強制終了はできるだけ避けることをおすすめします。
では、パソコンがフリーズした際はどのように対処すれば良いのでしょうか。
フリーズした時の対処法を、順を追ってご紹介します。
2-1 しばらく放置する
フリーズしてもすぐに強制終了するのではなく、しばらく待ってみてください。特定の処理に時間がかかっているだけで、処理が終われば操作できるようになる可能性もあるからです。
処理中であることを示す回転マークや砂時計マークが表示されていないかチェックしたり、HDDのアクセスランプが点灯しているか確認したりしてみると良いでしょう。
マークが表示されている、ランプが点灯しているといった場合は、作業中だとわかります。
2-2 タスクマネージャーを確認する
パソコン自体がフリーズしているのではなく、一部のアプリだけが固まって動かないケースも考えられます。
各ウインドウの右上にある終了ボタン(×)をクリックするか、「Alt」+「F4」キーを同時に押して、アプリケーションを終了してみるのも有効です。
アプリケーションを終了させてパソコンの負荷を減らせば、フリーズを解消できる可能性があります。
×ボタンが反応しない時は、タスクマネージャーから不要なアプリケーションを終了させることも可能です。
【タスクマネージャーでアプリケーションを強制終了する方法(Windows 10の場合)】
1.マウスが動く場合、「スタート」ボタンを右クリックして「タスクマネージャー」を選択する。
キーボード操作の場合は「Ctrl」+「Shift」+「Esc」キーを同時に押す
2.簡易表示だった場合は左下の「詳細」を押し、表示された「プロセス」タブの一覧から、終了したいアプリケーションを選択する
3.右下にある「タスクを終了」をクリックする。
キーボード操作の場合は「Alt」+「E」キーを同時押しすると、選択したアプリケーションが強制終了される
2-3 サインアウトする
フリーズの原因になったアプリケーションが特定できない場合、サインアウト(ログオフ)するのも有効です。
サインアウトすると、開いている全てのアプリケーションを一括で終了できるため、再起動よりも早く復帰できる可能性があります。
【サインアウトの手順(Windows 10の場合)】
1.「Ctrl」+「Alt」+「Del」キーを同時に押す。マウス操作の場合は「スタート」ボタンを押してメニューを開いたら、アカウントアイコンをクリックする
2.「サインアウト」を選択すると、サインアウト(ログオフ)できる
2-4 再起動する
サインアウト後にサインインしても正常に動かない、サインアウト自体が行えないといった時は、パソコンの再起動を行いましょう。
マウス操作が行える時は、「スタート」ボタンを押して表示されるメニュー画面から「電源」アイコン⇒「再起動」の順にクリックしてください。
マウス操作を受け付けない場合は、以下の手順で再起動を行えます。
【再起動を行う手順(windows 10の場合)】
1.「Ctrl」+「Alt」+「Del」キーを同時に押す
2.メニュー画面が表示されるので、「Tab」キーで項目を「電源」アイコンまで移動させる
3. 「エンターキー」を押すと「スリープ」「シャットダウン」「再起動」と表示されるので「再起動」を選択する
2-5 強制終了する
ここまでの対処方法を試しても状態が改善しない場合は、強制終了を行うことになります。通常は、電源ボタンを長押しすることでパソコンを強制的にシャットダウンできます。
故障の原因になるので、電源ケーブルを抜いてデスクトップパソコンの電源を落とすのは厳禁です。
また、強制終了によってストレージの故障やシステムファイルの破損といった重大な不具合が発生する恐れもあります。あくまでも最後の手段になるため、慎重に判断したうえで実行してください。
3 フリーズを回避する方法
パソコンのフリーズにはさまざまな原因がありますが、日頃から以下の対策を実施することで、フリーズの可能性を減らせます。
・ソフトウェアやドライバはこまめにアップデートを行い最新の状態にしておく
・ウイルス対策ソフトをインストールしておく
・使わないアプリケーション(ソフト)は終了させる
・用途に合わせてメモリを増設する
・不要なデータを削除してストレージの空き容量を確保する
・過熱防止のため冷却ファンの周りや通気口を掃除し、通気口をふさがないようにする
ストレージがHDDの場合は、内部のデータを整理し最適化する「デフラグ機能」をこまめに活用するのもおすすめです。