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違法なキックバックの証拠はどう調べる?
会社内の不正を防ぐ方法

フォレンジックサービスの基礎知識
更新:2025.03.11
違法なキックバックの証拠はどう調べる?<br>会社内の不正を防ぐ方法

企業が取引先と良い関係性を保つことは、業務を円滑に進めるために大切なことです。
その一環として行われているキックバック(リベート)は、本来であれば合法的な取引ですが、時には違法行為として摘発されることがあります。
キックバックは、どのようなケースだと違法になるのでしょうか。
ここでは、キックバックの違法性や、会社内で違法なキックバックが発覚した時の対処法などをご紹介します。

目次– 読みたい項目からご覧いただけます。

1 キックバックとは?

キックバック(Kickback)は「割り戻し」「見返り」といった意味を持つ英語です。
ビジネスのシーンでは、販促を主な目的として、売り手が買い手(取引先)に支払う報奨金や謝礼金のことを指します。

「期間内に特定の売り上げを達成したら、その○%を返金する」「新商品の販売促進を依頼する代わりに、販売できたら通常よりも報酬を多くする」などがキックバックの例です。
通常のキックバックは商習慣のひとつなので、違法性は問われません。

また、似たようなシーンで使われる「リベート(Rebate)」も、意味はほぼ同じです。

2 違法なキックバックの具体例

キックバック自体は違法ではなく、さまざまな場所で行われているものです。
しかし、売り手と買い手の双方の同意が取れていない、相手側に損失が発生するなどといったキックバックに関しては、詐欺罪や背任罪に問われる恐れがあります。
違法なキックバックに当たるケースとしては、次のようなものが考えられます。

【違法なキックバックの例】
・企業間の合意がないまま、担当者が個人的にキックバックを受け取っていた
・会計処理が不適切な状態で、金銭のやり取りが行われた
・商品を仕入れる前に過剰な接待を受け、その接待費を商品の代金に上乗せして請求した

また、自社との取引を継続する見返りに高額なキックバックを支払うなど、過剰なキックバックは独占禁止法に抵触する可能性もあります。

3 違法キックバックを防ぐにはどうする?

従業員による違法なキックバックを防ぐには、日頃からコンプライアンス研修などを通じて、従業員教育を行うことが大切です。

前述のとおり、キックバック自体は広く利用されている商習慣のひとつです。従業員は、自身の行いが違法行為に当たると認識していないことも考えられます。
どのような行為が合法で何が違法になるのか、法を犯した時はどのような罰則があるのかを理解させることで、犯行を未然に防ぐ効果が期待できます。

ただし、従業員の教育を実施したとしても、違法キックバックを確実に防げるとは限りません。企業としても、犯行の疑いがある時に問題を早期発見するための仕組みを作る必要があります。

4 違法キックバックの疑いがある時の対処法

万が一、社内で違法なキックバックが行われている疑いが出た時は、すぐに調査を行い犯罪行為の証拠をつかむことが大切です。
まずは、取引の履歴や請求書などを確認して、取引の内容や見積もりなどが適切かを検証するようにしてください。

また、キックバックのやり取りが書類ではなくメールやチャットツールを使って行われる可能性もあるはずです。調査の際は、それらの確認も欠かすことができません。

ただし、メールやチャットツールの履歴は簡単に削除できてしまいます。違法キックバックの疑いがある該当者に調査しているのを悟られる前に、証拠を保全することが重要です。
データがすでに消されていた場合は、データを修復して証拠を見つけることになります。

5 調査にはデジタルフォレンジックを活用しよう

違法キックバックが行われている疑いがある時は、デジタルフォレンジックを依頼するのがおすすめです。
デジタルフォレンジックとは、メールやチャットツールの履歴、電子帳簿といったデジタルデータの収集や解析を行い、不正行為の証拠を探す調査のことを指します。

すでに消去されたデータを復元し、正式な証拠として保全するには専門技術が欠かせません。自社内で対処しようとした結果、データが完全に復元できなくなることも考えられます。
デジタルフォレンジック調査は、専門業者に依頼すると良いでしょう。

ロジテックのデジタルフォレンジックサービスは、社内不正や情報漏えい、データ改ざんなど、幅広い調査に対応しています。
データを書き換えずに保全することもできるため、保全作業のみの相談もお気軽にお問い合わせください。

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6 違法行為が疑われる時は迅速に対処を

キックバックは商習慣の中で広く行われている行為で、それ自体に違法性はありません。しかし、やり方や内容次第では違法行為となる恐れがあります。
従業員の教育を徹底する、社内の管理体制を強化するなどして、違法キックバックの発生を防ぐことを心がけてください。

とはいえ、トラブルを完全に防ぐことは困難です。違法なキックバックが疑われる時は、すぐにデジタルフォレンジックを依頼して、違法行為の調査と拡大防止に努めましょう。

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