サーバー(NAS)や外付けHDDなどのストレージを使っている最中に「フォーマットが必要です」「フォーマットしますか?」などとメッセージが表示されることがあります。ファイルが開けない、サーバーにアクセスできないといったトラブルが起こると、つい慌ててしまうものです。
しかし、フォーマットが必要ですと表示された時は、慌てず冷静に対処する必要があります。
ここでは、フォーマットに関するエラーが表示される原因と対処法についてご紹介します。
1 「フォーマット」とは?
サーバーやパソコンなどが内蔵しているストレージは、ファイルシステムによって決まった形式でデータを保存しています。このファイル形式などの「型」またはストレージを「初期化すること」がフォーマットです。
「フォーマットする」「フォーマットが必要」といった形で使われる時は、基本的にはストレージを初期化することを指します。データの配列形式を整え、データを書き込むための準備を行うのがフォーマット(初期化)の目的です。
サーバーをフォーマットすると、保存していたデータは全て消えてしまいます。 フォーマットの形式にも左右されるものの、厳密にはフォーマットで消去されるのはデータの管理領域です。実際のデータは見えなくなっただけで、ストレージ内には残されていることがあります。
2 「フォーマットが必要」と表示される3つの原因
フォーマットが必要ですというメッセージは、USBメモリやSDカードを接続した時にも表示されることがあります。さまざまな機器で見かけるエラーメッセージのひとつですが、どのような理由で表示されるのでしょうか。
フォーマットが必要と表示される主な原因は、以下の3つです。
2-1 ファイルシステムの破損
ストレージのファイルシステムが破損していたり、不具合が起きていたりすると、フォーマットが必要ですというエラーが表示されることがあります。ファイルシステムが壊れているため、ストレージは使用できません。
再起動や抜き差しを繰り返していると、状態が悪化する恐れがあります。
2-2 ストレージの物理的な故障
サーバー内のストレージが物理的に故障している時も、フォーマットに関するエラーメッセージが表示されることがあります。経年劣化や衝撃による破損などが主な原因です。
駆動中に普段とは異なる音が聞こえる時は、物理的な故障の可能性があります。
物理的に故障したサーバーの修理やデータの復旧には専門的な知識や技術が必要で、個人では対応できません。
2-3 容量やケーブルに問題があることも
ストレージの容量がいっぱいになっている、ケーブルに不具合が起きている、サーバーに接続しているパソコン側が故障しているといったことが原因で、エラーメッセージが表示されるケースもあります。
容量不足やパソコン側が原因の時は、不要なデータを消去したり、パソコンを再起動したりすることで問題が解決する場合もあります。
3 「フォーマットが必要です」と表示されたらどうすれば良い?
万が一、サーバーを起動中に「フォーマットが必要です」と表示された時は、必ず「いいえ」を選択することが大切です。「はい」などのボタンを押してフォーマットを行うと、データが全て消去されてしまいます。
前述のとおり、厳密にはフォーマットで消えるのはデータの管理領域なので、元データは残っている可能性があります。
ただし、誤ってフォーマットをした後に機器を使い続けると、データが上書きされて完全に消えてしまう恐れがある点に注意が必要です。誤ってフォーマットした後は可能な限りすぐに電源を切り、使用を控えてください。
4 フォーマットに関連する問題は専門業者に相談を
「フォーマットが必要です」と表示された、誤ってフォーマットしてしまったなど、フォーマットに関連するトラブルが起こった時は、データ復旧の専門業者に相談するのがおすすめです。
重要なデータが入っているから、早く何とかしたいからと個人で対処しようとした結果、完全にデータが消えてしまうことも考えられます。
何とかしてデータを取り戻したい、できるだけすぐに対処したいという時は、高い技術力を持つデータ復旧の専門業者に依頼しましょう。
5 困った時こそ慌てずに対処することが大切
「フォーマットが必要です」「フォーマットしますか?」といった表示は、比較的見る機会が多いエラーメッセージのひとつです。大したことはないと高をくくって操作を続けた結果、データが完全に消えてしまうなど、状態が悪化することも考えられます。
無理に自分で何とかしようとするのではなく、プロのデータ復旧業者に依頼することが大切です。