データ復旧お役立ちコラム

HDDが落下した時の注意点。
データ復旧は専門業者に任せよう

HDDトラブル・基礎知識
更新:2024.03.05
HDDが落下した時の注意点。<br>データ復旧は専門業者に任せよう

外付けHDD(ハードディスク)やノートパソコンは、軽く携帯性に優れており、持ち運びしやすいのが魅力です。その反面、子どもが遊んでいる時に倒れた、地震の揺れで落ちたなど、転倒・落下による故障のリスクが高い機器でもあります。
HDDを落としてしまい、故障が疑われる時は、どのように対処すれば良いのでしょうか。 ここでは、HDDが落下した時に見られる症状と、データ復旧率を高めるためのポイントをご紹介します。

目次– 読みたい項目からご覧いただけます。

1 HDDを落とすとどんな症状が出る?

HDDは、高速回転する円盤状のプラッタ(磁気ディスク)に磁気ヘッドを近づけることで、データの読み書きを行う記憶装置です。SSD(ソリッドステートドライブ)よりも、容量当たりの単価が安いというメリットを持っています。

一方で、高速で回転しているプラッタと磁気ヘッドが接触して故障する恐れがあることから、転倒や落下といった衝撃には弱いです。駆動中はもちろん、電源を切っている時も取り扱いには注意する必要があります。
HDDを落として故障した際は、次のような症状が見られます。

【HDDを落とした時に起こるトラブルの例】

・機器がHDDを認識しない
・保存していたデータが消えてしまった
・データにアクセスできない
・異音が聞こえる
・モーターの回転音がしない
・シークタイム(磁気ヘッドが特定の位置に移動するのにかかる時間)が長い

HDDを落とした後にこれらの症状が見られる時は、内部の部品が物理的に破損している可能性が高い状態です。

2 HDDを落とした時にやってはいけないこと

HDDを落としてしまい、物理的に故障している可能性がある時は、保存していたデータを守るために注意したい点がいくつかあります。
HDDの物理障害が疑われる際は、以下のような行為を控えてください。

2-1 通電し続ける

HDDを落とした後に通電し続けると、データの破損や本体の故障がさらに悪化して、データを完全に取り出せなくなる恐れがあります。
電源が入っていないHDDを落とした後に、内部データを取り戻そうと電源を入れるのは控えてください。

電源が入っているHDDやパソコンを落とした時も、すぐに電源を切ることが大切です。認識できなくなったり、異音が鳴ったりしているパソコンに通電を続けると、磁気ヘッドがプラッタに接触したまま動き続けて障害が悪化する可能性があります。
また、トラブルが起きているからと、機器の再起動を行うのも厳禁です。

2-2 コードを抜き差しする

コードの抜き差しも控えましょう。コードの抜き差しが原因で通電し、状態が悪化する場合があります。
同様の理由で、外付けHDDのデータを確認しようとパソコンに接続するのも危険です。接続した直後は認識できたとしても、すぐに使えなくなることが考えられます。

2-3 個人でデータ復旧を試みる

HDD内のデータを復元したいからと、データ復元ソフトでデータ復旧を試みるのも避けましょう。有料・無料を問わず、データ復元ソフトは記憶装置の物理的な故障によるデータ消失に対応していません。
データ復元ソフトを利用する時は通電しなければいけないので、障害を悪化させる原因になり得ます。

また、個人で分解して修理を試みるのも厳禁です。精密機器であるHDDは、目に見えないほどのホコリやチリによって故障します。そのため、分解は空気の清浄度が管理された「クリーンルーム」で行わなければいけません。
個人でHDDを分解した結果、小さなゴミが入り込み、データ復旧が困難になる恐れがあります。

3 HDDを落とした時は専門業者に相談を

前述のとおり、HDDは転倒や落下といった衝撃に弱い精密機器です。物理的に障害が起きている時にデータ復元ソフトを使ったり、個人で分解したりすると状態が悪化する恐れもあるため、自力でのデータ復旧はほぼ不可能といえます。
家電量販店でデータ復旧サービスを提供していることがありますが、復旧できるのは軽度な障害に限られる点にも注意が必要です。

地震の影響でHDDが落下した、子どもが遊んでいて倒してしまったなど、HDDの物理的な故障が疑われる時は、早急にデータ復旧の専門業者に相談するのがおすすめです。
専用の設備や高い技術力を備えた専門業者なら、個人で作業を試みるよりも高い確率で、データを復元できます。

4 落としたHDDのデータを復旧する流れ

落としてしまったHDDからデータを取り出したい時は、データ復旧業者に依頼をするのが基本です。一般的に、データ復旧業者では以下のような手順でデータの取り出しを行います。

1.クリーンルームでの分解・状態の確認

ホコリやチリといったゴミが入らないように管理されたクリーンルーム内でHDDを分解し、どこがどのように損傷しているのかを確認します。

2.部品の交換

損傷している部品の交換を行います。HDDはメーカーや型番によって作りが異なるので、専門知識に加えて部品のストックも必要です。
在庫が少ない専門業者だと、データ復旧までに時間を要するケースもあります。

3.データ抽出

部品の交換後、HDDが問題なく動作すれば、データを抽出して完了です。

5 無理せず業者に相談することが大切

HDDが倒れた、落下したという時は、すぐに電源を切りましょう。衝撃を受けたHDDは物理的に障害が起きていることが多く、そのまま使い続けると状態が悪化してデータが消えてしまう恐れがあります。
落下などが原因の物理障害は、個人で何とかするのが難しいものです。万が一HDDを落として不具合が起こった時は、データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。

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