データ復旧お役立ちコラム

データが取り出せないことも。ファイルサーバーのバックアップを取る重要性

サーバートラブル・基礎知識
更新:2024.06.07
データが取り出せないことも。ファイルサーバーのバックアップを取る重要性

業務で使用しているファイルサーバー内に保存していたデータが、急に消えてしまうことがあります。注意していたとしても、データ消失のリスクをゼロにすることはできません。
データが完全に消えてしまうのを防ぎ、すぐ復旧できるようにするには、日頃からバックアップを取っておくことが大切です。
ここでは、ファイルサーバーのバックアップを取る重要性と、データが取り出せない時の対処法についてご紹介します。

目次– 読みたい項目からご覧いただけます。

1 ファイルサーバーのバックアップが重要な理由

サーバー内に保存していたデータは、なんらかの理由で突然消えてしまうことがあります。従って、ファイルサーバーを運用する際は、必ずバックアップを取っておくことが大切です。
ファイルサーバー内のデータが消えたり、破損したりする主な原因は、以下の3つが考えられます。

1-1 ストレージの故障によるデータ消失

データを保存しているストレージ(HDD)が故障すると、内部のデータを読み取れなくなります。
ファイルサーバーは、基本的には24時間365日稼働させ続けるものです。そのため、パソコンの内蔵HDDや外付けHDDよりも、パーツの劣化が進みやすい分、故障するリスクも上がります。
地震・雷といった自然災害や、落下・転倒による衝撃などが原因でストレージが故障し、データを読み取れなくなるケースもあるでしょう。

また、ファイルサーバーは複数のHDDを1つのドライブのように認識させる「RAID」を構成しているケースが一般的です。
RAIDはデータの冗長性を高められる技術ですが、複数のHDDが同時に故障したり、リビルド(再構築)の最中にさらなる障害が発生したりすると、RAIDが崩壊してデータ復旧の難易度が高くなってしまいます。

1-2 ソフトウェアの故障によるデータ消失

ストレージの物理的な障害ではなく、ソフトウェアの不具合や故障が原因で、データが消えてしまうケースも考えられます。
ソフトウェアの故障が原因の場合は、データ復旧ソフトで解決できる可能性が残されているとはいえ、必ずデータを取り戻せるわけではありません。

1-3 ヒューマンエラーによるデータ消失

ストレージやソフトウェアの不具合ではなく、人の手によってデータが消えてしまうこともあります。使用者の誤操作によるデータの消去や上書きなどが主な例です。
また、悪意ある第三者によるサイバー攻撃やコンピューターウイルスの感染によって、データが破損・消失することも考えられます。

2 ファイルサーバーのバックアップの取り方は?

ファイルサーバーに保存したデータは、さまざまなことが原因で消えてしまうものです。保存しているデータの安全性を高めるには、バックアップを適切に取っておく必要があります。
では、ファイルサーバー内のデータは、どのような記憶媒体にバックアップすれば良いのでしょうか。

2-1 磁気テープ

LTOなどの磁気テープは、データを長期間保存する用途に適している記憶媒体のひとつです。HDDより故障するリスクが低く、持ち運びのしやすさにも優れています。

ただし、データを読み書きするためのテープドライブが必要、機器の設置場所を設けなければいけないといったデメリットもあります。

2-2 外付けHDDやNAS

外付けのHDDやNASといった、外部ストレージにデータをバックアップする方法も有効です。データを読み書きするための機器が不要なので、導入コストを比較的安く抑えられます。
障害が発生した時も、すぐにバックアップデータを使って復旧作業を行うことが可能です。

利便性に優れている一方で、ファイルサーバーと外付けHDDやNASが同じ場所にあると、自然災害などの影響を同時に受けてしまう恐れがある点には注意しましょう。

2-3 クラウドサーバー

クラウドサーバーをバックアップ先にするのも良いでしょう。ファイルサーバー内のデータを、インターネット経由で遠隔地にバックアップしておくことができます。
バックアップ用に磁気テープの機器や外付けHDDなどを用意するよりも、安価に導入できる点がメリットです。
データを物理的に複数の場所に保存するため、災害発生時にデータが被災するリスクも下げることができます。

ただし、クラウドサーバーとのやり取りはインターネットを通じて行います。大容量のデータのバックアップに時間がかかる点には注意が必要です。

3 バックアップデータが取り出せなくなることも

バックアップはデータを守るうえで欠かせないものですが、バックアップしたデータが取り出せなくなるケースもあります。

例えば、バックアップの時にコピーできなかったファイルは、エラーファイルなどと表示されます。エラーファイルを放置し続けると、データが破損して使えなくなる可能性があるため注意が必要です。
バックアップの実行後は、必ずバックアップログでエラーファイルがないか確認しておきましょう。

また、バックアップ先の外付けHDDなどが劣化・故障したり、クラウドサーバーに何らかの問題が発生したりする恐れも捨てきれません。
データはコピーして3つ持つ、2種類以上の機器に保存する、1つは遠隔地で保存するという「3-2-1ルール」を徹底するといった対策も必須です。

4 データを取り出したい時は専門業者に相談を

前述のとおり、バックアップを取っていたとしても、データを完璧に守りきれるわけではありません。機器の故障やエラーファイルの発生など、何らかの理由でファイルサーバー内のデータだけでなく、バックアップデータも取り出せなくなる恐れがあります。

ファイルサーバーや、バックアップデータにトラブルが起こった際は、すぐに操作を止めて、データ復旧の専門業者に依頼しましょう。データが上書きされたり、状態が悪化したりする可能性があるため、個人で復旧を試みるのは控えることをおすすめします。

5 バックアップを取っても油断は禁物

ファイルサーバー内のデータは、さまざまな原因で消えてしまう恐れがあります。日頃からバックアップを取り、万が一に備えることが大切です。

ただし、バックアップは万全の対策ではありません。バックアップ先のデータや機器が破損することも考えられます。
個人での対処は問題が悪化するリスクもあるため、データに何らかの問題が発生した際は、データ復旧業者に依頼すると安心です。

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