内蔵HDDのインターフェース(接続規格)には、複数の種類があります。その中でも代表的なインターフェースが「SATA(シリアルATA)」です。
SATA接続の内蔵HDDは多くのパソコンに搭載されていますが、認識しなくなった時はどのように対処すれば良いのでしょうか。
ここでは、パソコンがSATA接続の内蔵HDDを認識しない原因と、対処法の例をご紹介します。
1 まずはHDDの規格を確認しよう
内蔵HDDが認識されない時は、最初にインターフェースを確認しましょう。内蔵HDDのインターフェースは、SATAとIDEの2種類に大きく分けられます。
SATAは、データ転送を1本の信号線で行う、シリアル接続タイプの規格です。ケーブルは細く、さまざまなタイプのコネクタ形状があります。
一方で、IDEは複数の信号線をまとめた、帯状の幅広いケーブルを使用します。コネクタにはピンを挿入するために、たくさんの穴があいているのが特長です。
IDEはSATAが普及する以前に使われていた規格で、現在は生産も終了しているため、一般用途の機器で見かけることはほとんどありません。
とはいえ、古いパソコンでは使われている可能性があるため、まずはインターフェースを確認することが、原因解明の一歩です。
2 ATA接続のHDDが認識されない原因と対処法
パソコンがSATA接続のHDDを認識しない時は、原因に合わせて対処することが大切です。SATA接続のHDDが認識されない主な原因と、原因別の対処法をご紹介します。
2-1 ケーブルの接続に問題がある
内蔵HDDが認識されない時は、パソコンのマザーボードとHDDをつなぐケーブルに問題があるケースが多いです。接続の仕方を間違えていないか、コネクタが抜けていないかなどを確認してみましょう。
正しく接続できているにも関わらずHDDが認識されない時は、ケーブルの断線が原因の可能性もあります。別のケーブルで接続してみるのも有効です。
2-2 十分な電力が供給されていない
十分な電力が供給されていないと、HDDは正常に動きません。電源を入れてもモーターの回転音や振動が確認できない時は、電力不足が原因の可能性も考えられます。
電源ケーブルが挿さっているかを確認したり、別の電源ポートを使ったりしてみることで、問題が解決するケースもあります。
2-3 OSが古い
パソコンのOSが古いと、SATA接続のHDDは認識されません。Windows XPなどの非常に古いOSのパソコンを使っている方は、HDDやマザーボードなどの製造元から、SATA用のドライバーをインストールしましょう。
また、デバイスマネージャーからHDDのドライバーを再インストールしてみるのもおすすめです。
2-4 BIOS設定が間違っている
パソコンに搭載されたハードウェアの管理・制御を担う「BIOS(UEFI)」の設定が間違っていて、HDDを認識しない場合もあります。
特に、HDDを増設した後はBIOS(UEFI)設定が原因の不具合が起こりやすいです。
内蔵HDDの増設を行った方は、BIOS(UEFI)の設定を見直しておきましょう。
BIOS(UEFI)の設定や操作方法は、メーカーごとに異なるため、詳細はメーカーの公式ページなどをご確認ください。
3 接続を見直してもHDDが認識されない原因は?
ご紹介した方法を試してみてもHDDを認識しない時は、HDD本体に不具合が起こっている可能性があります。
HDD本体に起こり得る障害の種類と特徴は、以下のとおりです。
3-1 物理障害
HDD自体が物理的に破損し、正常に起動しなくなった状態が物理障害です。落下による衝撃や水没、落雷による過電流、経年劣化などが主な原因として挙げられます。
物理障害に対処するには、HDDの修理やパーツ交換が必要になります。基本的に、個人で問題を解決することはできません。
3-2 論理障害
論理障害は、HDDそのものではなく内部の保存データやファイルシステムに不具合が生じて、認識できなくなった状態です。
操作ミスによるデータの誤消去やフォーマット(初期化)、ウイルス感染によるデータ破損、不良セクタの発生などが、論理障害の原因として挙げられます。
物理障害と異なり、軽度の論理障害はデータ復旧ソフトなどを使って自力で対処できる可能性があります。
ただし、重度の論理障害を起こしていた際は、自力での作業により状態が悪化し、データ復旧が困難になる恐れがあるため注意が必要です。
大事なデータが入っている、故障の原因がわからないといった時は、個人でどうにかしようとするのは控えてください。
確実にデータを取り戻したい方は、データ復旧の専門業者に依頼するのがおすすめです。